紺野昌彦オフィシャルブログ・絶えまない変化の先に

その人は國場幸一郎氏。
沖縄では知らない人はほとんどいない、國場組の前会長で、沖縄でトップクラスのゼネコン企業で、名門ホテルのムーンビーチホテル、ザ・ナハテラス、ザ・ブセナテラスホテルなどを立ち上げて、沖縄のコングロマリットを１代で築き上げたと言っても過言ではない実業家です。

現在國場幸一郎氏は、残念ながら入院中で現役ではありませんが、80歳の誕生日まではバリバリの現役で、いつも新しい何かを生み出そうと努力し続けた人でした。
幸一郎氏の言葉に「生涯現役」という言葉があり、それを80歳まで実践している姿は、感銘を覚えるばかりかまだ40になったばかりの僕に、倍の時間があることを教えてくれました。





幸一郎氏と知り合うきっかけは、スカイパーフェクトTVの前身である松竹衛星劇場という会社の初代社長でもある大場氏にお引合せ頂いたのが始めでした。かれこれ５、６年くらい前でしょうか。

「君は面白いから、國場会長と気が合うはずだ」と言って何年か前に、国場ビルの最高顧問室（会長から引退して最高顧問職）にお連れ頂きました。幸い幸一郎会長（会長とお呼びするのは、沖縄テレメッセージや国建など複数の会長職は継続していました）に気に入って頂き、「お前は面白い男だ、毎週月曜日に俺のところに来い」とスタートしました。
それは月曜日だけではなく、水曜、木曜と曜日は増え、多くの財界人、実業家、政治家、などをご紹介頂いたり、國場幸一郎氏の歩んできた、沖縄の歴史、日本の歴史を淡々と語って頂けました。
もちろん様々な事業にも従事させて頂き、会長の持つ事業の役員にも抜擢頂き、度量の広さ、保革の偏りのない見識と大胆さ、この人こそ尊敬に値する人と人生で始めて感服する思いを感じさせられました。

米軍基地の裏話、米国石油メジャーから当時数百億の仕事を取った過程、リビア、イラクなどのコンビナート建設を取った過程など、世界で勝負をしてきた生き様を多く聞かせて頂き、それが現在僕が海外で活動する一つの原動力にもなっているのです。

また政治でも沖縄サミットの背景、野中広務元自民党幹事長とカジノ議連を作った過程、それの布石を何年かかけて作った背景、今では経緯すら出てこないだろうと思われる逸話が多く含まれています。

もちろん僕も大風呂敷ですし、夢も希望も大きく持っている人間ですが、幸一郎氏が人生をかけて作って来たもの、そして経験をしてきたことはひょっとすると類のないものかもしれません。
戦後の混乱期にいち早く英語スペックの建設仕様を身に付け、米軍受注を好きなように取れるようになり、米石油メジャーから仕事を指名で取れるようになり、その後の県知事を生み出すキングメーカーとして沖縄に君臨してきた人。
そんな幸一郎氏の現役最後の3年間ほとんど毎日に近いくらい、幸一郎ドクトリンは僕の頭にしっかりと焼き付きました。

公私ともに大変お世話になった幸一郎氏は現在は、一昨年の心臓発作以来、闘病生活で意識がありません。
一日でも早く意識が戻るのを願うばかりです。



國場幸一郎氏の一昨年の講演の様子です。
一昨年に沖縄で若手起業家などの集まる会のレセプションで基調講演いただいた貴重な映像です。



最後までご覧いただけましたら幸いです。

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