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2010年12月01日

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ニューチャイナ続編

ニューチャイナの続きです。

昨日のブログでは中国との国境問題から始めましたが、それは日本だけに限らず、中国と国境を接する隣国全てが抱える問題でもあります。その前に軽くその背景の一部を説明すると、何も軍拡をしているのは中国だけではありません。経済成長が目まぐるしいインドも例外ではないのです。ちなみに中国とインドは現在も国境が緊張しいるのですが、その背景は、インド軍が1959年に中国領に侵攻して不法に中国領土を実行支配した経緯があるのです。中印紛争では軍事衝突では中国が勝利しています。ですが、平和的手段を用いて中国軍は撤退。その本意を受け入れずにインド軍はそのまま実効支配を現在まで続けているのです。そんな関係の中、両国は世界の経済を牽引するまで成長している背景も忘れてはいけません。
現在中国軍の東シナ海の拡張は日本に対する圧力と理解されていますが、このままではインド洋上のシーレーンがインドの支配権になる事を恐れた中国の動きとも取る事ができるのです。その場所に沖縄や日本があるのです。しかも両国共に核保有国。また昨日書いたように中国は莫大な人口と産業を抱え込んでいます。それはインドも同じ。その成長を支えるには今以上の資源(海洋資源を含む)や輸送の安全も確保しなくてはいけません。実際は日本に対する圧力と考えるよりこのような背景の方が中国にとっては重要な要素なのです。(中国擁護ではありません)

ちなみに日本も戦略的に動いてはいるのです。
これも以前ブログで簡単に触れた内容ではありますが、中国の南下に脅威を感じている国々との連帯を強める動きを以前からおこなっています。その国々はベトナム、フィリピン、マレーシア、インドネシア等の国々です。ODA等の援助を中心に親日経済圏の確保に外務省主導で力を入れています。その成果のおかげで、それぞれの国のアンケートでは、今後頼れる国では1位に日本を挙げているのです。ちなみにラオス、タイなどにも同じ援助を行っていましたが、現在では同じアンケートで1位は中国という結果が出ています。軍事的なプレゼンスではありまえんが、日本も経済圏の拡張はおこなっているのです。ただ尖閣や与那国に自衛隊配備論が出る中、日本は経済的行動から軍事的な要素も含むようになりつつある事実も理解しなくてはいけません。

そんな中で沖縄は翻弄される位置にあるのは間違いありませんが。。。

沖縄は国際関係、大国の経済圏の確保の狭間で一番影響を受ける地域です。もちろんパラセル、スプラトリー諸島の住民もそうでしょう。辺境にある地域は島でなくても同じかもしれませんね。

余談ですが。。。
たまにブログやツイッター等で、「中国よりベトナム!」
と見かけます。感情的は全く同感です。ベトナムも中国嫌いの国です。歴史的に見ても今後、深い友好国同士なることも考えにくい関係。ですが、かたや人口14億、ベトナムは8000万人。そしてベトナム、フィリピン、インドネシアはま中進国。日本の製品を買えるほど所得がありません。日本企業の生産国の一つになるのは時間の問題ですが、所得が向上しマーケットまで成長するのはさらにその先なのです。生産国の地位を獲得しても、そのマーケットは事実上中国が大きくウエイトを占めるでしょう。

そんなアジアの背景の中で昨日のブログに書いたように、ナショナリズムもうまく用いられいる感が否めません。
時代的な流れもそれを後押ししている部分もあります。世界的に目指す方向性を見失い、混沌としている状況が長く続きすぎているのも、この悪循環を生んでいる要素でもありますが。。。

個人的な主観ではありますが、中国も長く続けた一人っ子政策のお陰で今後は労働人口は減少に向かいます。そして平均所得の上昇も目まぐるしいので、その双方から見て生産国というポジションが低下するのは時間の問題となります。所得の格差も今以上になるでしょう。その後世界の労働人口が飛躍的に増加するのはベトナム、フィリピン、インドネシアなどの国々です。中国の拡張はここ10年が限界ではないだろうかなと僕は見ています。そうなると格差と大量の失業者を出すので、内政の不満も今以上に高まり、拡張どころではなくなるのでは?と。ひょっとすると中国の1党独裁も10年もしくは15年が限度ではないでしょうか。

でもそれは安心に繋がるとは限らないのでご注意を。
さらに世界経済が混乱する可能性も高いのです。


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Posted by cyborg-z at 00:00│Comments(0)国際関係
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