意図的に税逃れでの利用者もいらっしゃるようですが、世界経済がグローバル化の加速が顕著な現在は企業の情報リテラシーの上昇もあり、より税率の低い国に会社を登記することでコストを抑える方法が取られるようになりました。
このような背景から国家としても法人課税率を下げて海外から企業を誘致する動きも目立って来ています。
そのひとつの例にアイルランドがありますが、1990年には法人課税率は43%もあったのですが、2008年には12.5%まで法人税率を下げて国外より企業を誘致しています。このような税制を用いて産業誘致するをタックスヘイブン政策と言われています。
現在日本でも法人課税の税率引き下げが取りざたされていますが、高い税率が理由で産業流出を防ぐのも理由の一つだったりします。
タックスヘイブンとして有名なところは、一昔前はスイスそしてモナコ公国、パナマ、バージン諸島、ケイマン諸島、ドバイ、バーレーン、マン島、モルディブなどなどでしょうか。また王道的なポジションで香港、シンガポールなども挙げられます。
ただ租税回避のために実態を伴わずに使用される例も後を絶たず、先進国では税逃れ対策を余儀なくされ米国主導で、2013年に開かれたG20財務相・中央銀行総裁会議で、税逃れを防ぐ「行動計画」が承認され税率を上げる圧力が働き、や、タックスヘイブンを用いる国や地域に法改正を促す行為が2012年頃から急加速しており、バージン諸島は2012年、ケイマン諸島は2013年には新規法人を作るのがかなり難しくなりました。(事実上つくれますが、アメリカ、日本などの先進国との租税条約の強化で、法人の所得、銀行口座の開示義務に応じるように課せられるようになったりしています。)
まあそれでも上に政策あれば下に対策ありで、ダイレクターノミニーという手法で逃れる人も多いようで。
ひとつ別例ですが、よくニュースなどで、「リベリア船籍のタンカーが」「パナマ船籍の貨物船」などと聞くことがありますが、これらの商船は全てこれらタックスヘイブンを利用したオフショア商法です。日本の大手海運会社もこのような租税回避は実は一般的であり、耳にするリベリア船籍、パナマ船籍の多くは外国法人を介した日本所有の船だったりもします。
このようなスキームは、原油や資源を販売国に応じて課税されるので実に実用的な手法でしょうね。
また無税で行おうとする手法もあるようで、ケイマンやバージンなどは、自国の領土以外での商業利益は非課税としている国や地域も多く、このような国外税法を利用して、他国に営業所登記をして租税回避している例も多いようです。
※日本の税法では20%未満のオフショア法人は複合課税での課税対象になりますので税理士さんにご相談ください。
日本では2000年頃からこれらオフショアへの資本流出が増加している傾向があるようです。
日本銀行の調査では、ケイマン諸島への日本の投資残高は2012年の末で55兆円となり、ケイマン諸島全体の投資残高にしめる割合の約14%に達しているとの報告もあります(報道済み資料より)
2001年から2012年の統計では日本資本の占める割合は実に3倍に増加し、アメリカの127兆円に対して2位となっています。ちなみに3位はイギリスの23兆円。
もちろんこれはケイマンのみの数字で他の国や地域を含めればさらに巨額となるでしょうね。
また他の報道記事では、三菱UFJフィナンシャルグループ(FG)は、ケイマンに三つの子会社(資本金合計額約7千億円)を持っています。
同グループの回答では、子会社はいずれも証券発行を目的とした特定目的会社(SPC)であり、従業員は日本の社員が兼務し、ケイマンでの業務は地元業者に委託しているといいます。
同じく18の子会社(同2兆9500億円)を保有する三井住友FGは、資本調達の際、「設立コストや管理コスト等を勘案して当該国に設立した」と回答。両社は「節税」目的は否定していますが、実は積極的に活用されている例はいくらでもあります。
27の子会社(同588億円)を持つみずほFGは、「一般的な話として、ケイマンに籍を置くのは資金調達コストを下げるため。必然的に節税ということはでてくる」(報道資料転記)
また銀行免許や証券免許、ファンド編成などの取得申請もゆるいのでこれらオフショアを利用した、金融調達も実は一般的だったりもするのです。
世の中まだまだ面白いことが沢山あるのです。
現在僕たちの会社、グローバルビジネスネットワークでも、タイ、カンボジア、香港などで法人置き実際に実態を伴って活動していますが、タイの税率は200万バーツ未満の資本金で法人課税が20%、カンボジアでも20%、香港は最大課税が16.5%と日本と比べると格段に課税率が低く、海外のメリットは拡大する新興国マーケットだけではなく、税率や社会保障制度のような高額経費も軽減できるのも魅了だったりもするのです。
ひとつの法の枠だけで完結する考えではなくグローバルに考えてみるとまた面白いかもしれませんね。
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