紺野昌彦オフィシャルブログ・絶えまない変化の先に

紺野昌彦オフィシャルブログ

LINEで送る

2011年02月15日

このエントリーをはてなブックマークに追加
LINEで送る

航空貨物のハブ拠点とTPP

今朝の新聞で那覇空港で取り扱われている国際貨物のデータが掲載されていました。
取り敢えずは予想を上回る利用量。
国際貨物のハブとして機能しだした那覇空港は航空自衛隊の位置の一部を使用するというメリットで24時間の発着が可能。通常の空港にはないメリットもあるようです。民間空港とは法律が違いますから、完全民間空港になれば現在の使用用途を継続するにはまた難しい手続きもあります。
基地問題や、騒音問題、法的背景は今回は置いておきますね。

今回はその実績と今後のポテンシャルと利用方法についてあれこれ書いてみたいと思います。

まず始めにですが、15日の新聞では那覇空港の貨物取扱量が貨物拠点化前との差が155倍とありました。
非常にいい数字ですね。あくまでもハブ拠点ですので、海外から集約される貨物は沖縄から日本全国に、そして日本国内なからアジア広域に発送されて行きます。当然報道前から一定以上の成果が出ている話は見聞きしていましたが、実際に沖縄県内の物流量はどれくらいになったのかが知りたくて、僕的には気になっていました。
幸いその数字も出ていました。その数字は次の通りです。

貨物ハブ以前の層取り扱い量
2006年1060t
2007年863t
2008年935t

貨物ハブ開始後の輸入量
76815t
貨物ハブ開始後の輸出量
70149t

これに含まれる県内需要は5%で大半の95%が一時陸揚げや保税扱いの貨物なのでしょうね。
結果的にはマイナスではないでしょうが、もっと県内需要を喚起する効果を望みたいものです。

僕は過去に貿易関係のビジネスに従事している事がありました。その時は7割くらいの商材が航空便での取り扱いでした。当時はまだ那覇空港のハブ化はされておらず、海外からの荷物は、関西国際空港か成田空港に一旦集まり、そして国内に再出荷されていました。そうすると国内の送料が別にかかるようになります。ローカルフィーですね。感覚的には海外から東京や大阪までの輸送量に国内での沖縄までの宅配価格が別に必要と考えてもらえば分かりやすいかも。当時は沖縄が僻地なんだなと認識していましたが、この国際貨物のハブ空港化のお陰でそのコストはなくなり、今ではドアtoドアの感覚で海外から色々な商材を取り寄せたり、また送り出すことも可能となったのです。
ちなみにその輸送の日数ですが、EMSやUPS、などの国際宅配サービスを利用したら実に2日程度です。国内の宅配便より場合によっては早いかもしれません。すですのローカルで完結することなく地域規模での買い物や商材集め、また販路の拡大を考えてみては如何でしょうか。今では商材だけではなく冊子やパッケージなどの印刷物は中国やベトナムが当たりまえで、県内で配られるフリーペーパーでも海外で印刷発注している例もあります。デザイン等はIT化でリアルタイムでやり取りできますからね。以前の報道で泡盛が海外に販路を伸ばしている例も取り扱われていましたし、沖縄の食材も中国を始めとするアジアで販路を拡大しているとか。これがグローバリズムですね。TPPの一件で反対ムードが高いのですが、実は暮らしの隅々にその世界地域化の流れは浸透しているのです。
こう書きながら現在の沖縄でも色々な事業者は海外で直接製品を仕入れたり作ったりは当たり前化しています。アパレル関係で韓国や中国から買い付けを行い、沖縄を拠点に全国に販路を持つ事業者なんて今の環境が出来る前から積極的に取り組んでいますし、なんやかんやと言いながら沖縄食材の地産地消は28%しかありません。反対しても市場が選択している事実もありますからね(^^;

このアジアの窓口として立地を生かした沖縄作りを考えると、TPPは有利な面も多いのです。
基本的には日本の国際化と東アジアの地域経済化は僕は反対ではありませんので、このような論調になってしまいますが、世界傾向的には間違いなくその流れなのは、過去の僕のブログで書いてきたとおりです。旧体制をいつまでも守り通し時代遅れになるか、それとも世界に率先して先取りの経済環境を作るのかで、沖縄や日本の発展に繋がるのではないでしょうか。金融ビックバンも80年代初頭に始まり、日本がその市場を開放傾向にシフトしたのも20年送れ。農業問題も世界貿易上の障壁をなくし、貿易の自由化や多角的貿易を促進するためにガットウルグアイ・ラウンド(Uruguay Round)が1986年~1995年に設けられましたが、その時から今のTPPの流れは出来ているのです。何を今更騒いでって思ってしまうのは僕だけでしょうか。その頃から今に合わせた対応が出来ていれば一定の競争力を持つ農家の育成事業は出来たような気もします。そんな環境でそれらをビジネスチャンスに捉えている農家や既に、独自のスタンスで販路を拡大しているところがあるのも事実なんですから。経済は水の流れです。お金も水の流れです。抵抗すれば体力も疲弊し疲れ切ったところで流されるの常です。

もちろん強者的理論、理想論でしか書いてないようにも感じますが、そのヒントを今の情勢から皆さん探り出す努力は怠ってはいけません。ちびっ子のかけっこにもビリと1等賞はあるのですから。。
要するに世界的な再編は始まっているので今のこの瞬間もノホホンとしてもらいたくはないように感じてしまいます。


駄文に長々とお付き合い頂きましてありがとうございました。



☆参考になったなと思った方はクリックください☆



ブログランキング



航空貨物のハブ拠点とTPP








同じカテゴリー(ビジネスのヒント)の記事
Posted by cyborg-z at 20:45│Comments(1)ビジネスのヒント

この記事へのコメント

これは私の専門なのですが・・・
あのキャパでは・・・・現状アジアのハブにはなり得ません。
「ハブへ!」と宣言したものの、作ったのがあの程度では・・・
全日空貨物専用機も767メインですし、キャリーできる貨物が制限されます。
外資系キャリアーも737等のNarrow bodyでは・・・原則貨物が運べません。
737投入してくるというのは貨物の需要を見込んでいないのです。
実際に上屋を見学させてもらったわけでもないので何もいえないですが
十分な格納スペースのあるBHS等の設置はされているのかも疑問・・・・・。

もうちょっと頑張って・・・・ほしいですねぇ。
Posted by mimi_mo at 2011年07月17日 01:08
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。

コメントを書く

 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。